【森林療法・フォレストセラピー】は、森林浴を行いながら、ヨガやマッサージなどをプラスして健康を増進するための総合的なアプローチです。本来は、人間も自然の一部であるはずです。最近になって、自然が持っている様々な力が、私たちの自然治癒力を向上させて、健康を促進するものであることが科学的に解明されるようになってきました。まず、森が人間を健康にするしくみには、植物の発する揮発性物質「フィトンチッド」が関係しています。このフィトンチッドは人間にも有益な影響を与えてくれます。
1、脳内の@波の発生を促して精神の安定を図ってくれます。
2、自律神経を安定させてくれます。
3、交感神経の興奮を抑制してくれます。
4、不眠を解消し、快適な睡眠をもたらしてくれます。
5、血圧を沈めたり、怒りや緊張状態を和らげてくれます。
6、血液中の抗がんたんぱく質を増加させてくれます。
7、肝機能を改善してくれます。
8、呼吸を正常に整えてくれます。
森林が人間を健康にするしくみはそれだけではありません。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、がん細胞を攻撃するリンパ球の一種です。 がん以外にも、ウイルスに感染した異常な細胞を発見し攻撃する役割を担っています。NK細胞の強さはNK活性と呼ばれ、免疫力の指標のひとつとされています。このNK活性はさまざまな要因によって大きく影響を受けます。ひとつの原因は、加齢によるものです。加齢によってNK活性は減少し、自然治癒力が低下することがわかっています。それ以外の生活習慣も大きく影響します。喫煙や偏った食生活、睡眠不足、ストレス、過度な飲酒などの生活習慣は、NK活性を弱めます。NK活性が弱まると、がんを発症したり、コロナに感染しやすくなったりします。森林浴をすると、都市部に比べてNK細胞が8.2%活性化することが明らかになっています。NK細胞は、森林浴の前後で比較した平均値を算出すると、およそ1日で27%上昇し、2日で53%上昇します。
健康増進、病気の治療、病後の療養、メンタルヘルスを目的として、森に入ることが盛んになってきました。森林浴は、ストレスの緩和だけでなく、森に入ることで得られる効果には科学的根拠があります。憂鬱な気分が晴れたり、悩み事を客観的に捉えることができたり、前向きな気持ちになれたり、混乱していたことが整理されて頭がすっきりしたり、新しいアイデアが浮かんだりします。副交感神経に作用しますから、リラックス効果があり、細胞の新陳代謝を活性化させ、疲労回復を促します。アンチエイジングが期待できます。うつ状態やうつ病の原因のひとつは、血中セロトニン濃度の低下にあると考えられています。 森林浴は、都市部での散策と比較して血中セロトニンを有意に上昇させることがわかっています。森林浴はうつ状態の改善やうつ病の予防に有効であることが示唆されています。
欧米では、森林浴が自然療法として医療現場で実用化されています。ドイツでは、森林浴や森林での保養に健康保険が適用されます。慢性的な痛みを持つ患者や抑うつ状態の患者に対して行った森林療法の実験によって、症状の緩和が見られたという報告もあります。脊椎の手術を受けた患者が日光の当たる部屋で入院した場合、回復中の痛みやストレスが減少し、鎮痛剤の服用量が少なくなったことも報告されています。閉塞感のあるビルの一室でマッサージを単にリラクゼーションとして受けるだけでなく、自然の力を活用したマッサージセラピーをぜひご検討ください。原因不明の体調不良に悩まされている方、ぜひ、【森林療法・フォレストセラピー】をおすすめします。 |