【ヤムカーン】は、タイの伝統的なファイヤーマッサージです。クライアントの横に火鉢を置いて、施術者が足を火であぶり、その足でクライアントを施術をするというものです。施術者は、大きな杖を持って身体を支えながら立ち姿のまま施術を行います。足をあぶるときに大きな火や煙が上がっていたりして迫力があります。アジアの神秘というか、どこかの心霊療法みたいなエキゾチックな魔法のような、原始的な超絶テクニックです。東洋医学的な視点では、「火」のエネルギーを身体に宿すという意味合いがあります。東洋医学には自然界に存在する五つの要素を、木・火・土・金・水に分類し、相互に影響を与えながらバランスをとる五行説という理論があります。「火」のエネルギーが不足すると、不安感や煩躁感に至り、やがて睡眠障害をもたらします。「火」のエネルギーは、エネルギッシュで情熱的かつ頭の回転が速く、行動力があるといった状態に導くことができるとされています。【ヤムカーン】は、不眠症の方、不安症の方、なんとなく不調を感じている方、どうもやる気が起きないとお悩みの方におすすめしている施術法です。
【ヤムカーン】の実際の施術では、足を火であぶっているわけではなく、炭火で熱した鉄板を軽く踏んで、足の裏につけたオイルを温め、その足で踏むようにして凝った部分をほぐしていきます。足の裏につけたオイルが火鉢の近くで飛び散るのでそれが炭火に着火し、炎や煙が立ち上るわけです。実際に受けてみると、ハーブボールで患部を温めるのと、足を使って踏む施術と、オイルマッサージを一度に行っているような感じだと言えます。【ヤムカーン】のメリットとして、タイマッサージ、オイルマッサージ、ハーブボールを同時にやることにより時間の短縮が図れます。スピリチュアル的な言い方をするなら、火で邪気を飛ばしながら行う施術と言えるでしょう。施術をする側にとって、やはり足は熱いので仏教の火渡り修行のように、精神的な何かが必要かもしれません。パフォーマンス的な要素も少し加わりますので、多少オイルがはねて熱いかもしれません。室内で行うことには無理があります。【ヤムカーン】は、屋外での施術のみになりますので、ご了承いただける方にだけお受けいただきたい珍しい施術法です。 |