■タイ古式マッサージの素晴らしさ
20年前には風俗ではないのか?と誤解の多かったタイ古式マッサージですが、その勢いは世界中に伝播し、ますます拡大を続けています。なぜここまでの注目を集め、普及してきたのか?実際に多くのタイ古式サロンが世界中に存在していますし、セラピスト人口もどんどん増えています。リフレクソロジー、カイロプラクティック、アロマオイルマッサージなど民間資格として営業してきたサロンは多いですが、コリほぐし系ボディケアサロンや整体サロンでタイ古式マッサージを新たにメニューとして加えるケースも加速しています。
では、タイ古式マッサージの魅力はいったい何なのでしょう?タイ古式マッサージには、一度受けたらお客様を虜にしてしまうほどの魅力が確かに存在しているようです。確かに、タイ古式マッサージの営業は、日本国内の法律上、医業類似行為はできませんから、他の民間資格と同じように、その活動の範囲はリラクゼーションの範疇に留まらざるを得ません。しかし、そんな中でも、タイ古式マッサージの人気はとどまるところを知りません。究極のリラクゼーションを提供できるタイ古式マッサージは、世界中の5つ星ホテルのスパ施設でも、なくてはならない定番的な存在になりましたし、世界を航海する豪華客船の中でも受けられるほど人気が高いのです。
理由のひとつは、ストレッチでしょう。筋肉の圧迫を繰り返し血行を促すことでコリを軽減することはできますが、終わった後にはダラーっとした印象が残ります。もうこのまま眠りに就きたい。動きたくない。といった感覚が残るものです。しかし、そこにストレッチを加えることで身体が目覚めていき、終わった時にはすっきりとして身体が軽くなった印象を感じてもらうことができます。このあたりが既存のこりほぐしボディケアとは全く違うところのようです。
近年では、「筋膜リリース」や「筋筋膜療法」などのワードが出回っています。筋膜のよじれやねじれを解消して、正しい筋と筋膜の伸長性と筋肉の動きの回復を促すのが筋膜リリースですが、要するに、筋肉を引っ張ってテンションをかけた状態で圧迫するやり方なのですが、タイ古式マッサージではとうの昔から普通にやっていることです。タイ古式はこのあたりのスキルも網羅してしまっているというわけです。
さらに、もうひとつ。エネルギーラインに対してアプローチをしているということ。エネルギーラインに対するアプローチは、筋肉のコリに目を向けているのではなく、五臓六腑と言われる内臓の働きにアプローチをしています。つまり、タイ古式マッサージは、経絡治療の意味を同時に含んでいるということになります。定期的に受けることで疾病の緩和にもつながってきますし、もちろん、代替療法として事前に予防をして病気になりにくい身体にしておくためにも効果的だということが言えます。筋肉のコリだけなんとかしたい他の民間資格とは、治療とは言えないまでも、身体を快方に向かわせる精度に大きな違いがあります。
タイ古式マッサージを取り扱うサロンもいろいろです。駅前などの立地でどんどんお客様が入るような場所でも、人通りの少ない住宅地の中でもタイ古式マッサージのお店は、あります。回転率重視のサロンでは、60分程度のコースが中心になるため、基本的なスキルのみでも営業はうまくいっているようです。逆に、ちょっと立地が悪いお店では、独立開業した個人がやっていることが多く、120分~180分の施術が中心になっているようです。技術力さえあればどんな立地でもやっていけるほど、タイ古式マッサージには実力があるのです。
ただ、ひとくちにタイ古式マッサージと言っても、そのスキルの幅には雲泥の差があります。治療効果もあがるような本格的なタイ古式マッサージは、昔から120分以上と相場が決まっているものですが、本格的なタイ古式マッサージは、残念ながら回転率重視のコリほぐし系サロンでは受けられないものです。タイ古式マッサージという名前だけをメニュー表に追加してしまえば、それだけで売上にはつながるのですが、それではタイ古式マッサージ自体の印象が悪くなり、本物の伝統医学としてのタイ古式マッサージがすたれていってしまうことを憂いています。これは、日本に限った事ではありません。タイ本国でも、スキルの劣化が顕著になり、いわゆる達人級のタイ古式セラピストに出会うことはめっきり少なくなりました。業界が大きくなると、スキルはやはり低下するものです。 |