■サムンプライとは
サムンプライ(Samunphurai)とはタイ伝統医学で病気を治すために使われてきた物質のことです。その中心的存在はやはりハーブですが、サムンプライはハーブだけでなく、動物の骨や鉱物までを指す言葉で、自然療法(ナチュロパシー)としての意味をもった言葉です。サムンプライは、植物、動物、鉱物から成り立ち、ハーブサウナやハーブボールだけでなく、錠剤や煎じ薬もこれに含みます。
(1)タイハーブを初めとした植物(木、花、葉、根、種子など)
(2)動物(骨、牙など)
(3)鉱物(鉄、石、塩など)
タイ伝統医学は、太古の昔から自然療法として発展してきました。2500年前の始祖であるシヴァカコマラパ先生の時代から、手技だけでなく、自然の薬草や鉱物などを使って治療が行われてきました。現在でも、いわゆるセラピストのことを「コンヌアット(コン=人、ヌアット=マッサージの意味)」と呼びますし、治療家として伝統医学を用いて行う人を「モーヌアット(モー=医者、ヌアット=マッサージの意味)」と呼んで区別をしています。
タイマッサージに代表されるタイ伝統医学ではありますが、サムンプライには、自然の薬草の有効成分や自然の波動を利用して、治療効果をより向上させる目的があります。実際に身体を温めることができたり、発汗を促したり、雷が落ちた木片でたたくトークセンでは、通常のマッサージで得られないようなすーっとした印象があります。
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■9種類の風味と香り
サムンプライの風味や香りは、以下に示す9種類に分類され、それぞれに治療効果に示されます。 |
(香りの種類) |
(効果効能) |
1、収斂性(しゅうれんせい)や渋味の香り |
下痢や傷に対する治療効果 |
2、甘い香り |
筋肉に対する刺激効果 |
3、吐き気をもよおさせる臭い |
毒素に効果 |
4、苦味や苦い香り |
強壮剤としての効果、血液や胆汁異常に効果 |
5、辛味 |
タートロムから起こる疾病に効果 |
6、木の実の香り |
腱からくる疾病に効果 |
7、心地よい香り |
心臓に刺激 |
8、塩の香り |
皮膚病に効果 |
9、酸味や酸っぱい香り |
吐き気に効果 |
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■サムンプライの調合とタイ伝統医学のソムットターンとの関係
サムンプライは、単独で用いられることはなく、調合され使用されます。使用される薬の風味や香りは互いに相殺されることがないよう組み合わされます。その場合、以下の3つに分類されることが多くあります。 |
1、温かい風味や香りのサムンプライ |
タート・ロム(風)の要素からくる疾病に効果 |
2、涼しい風味や香りのサムンプライ |
タート・ファイ(火)の要素からくる疾病に効果 |
3、穏やかな風味や香りのサムンプライ |
タート・ナーム(水)の要素からくる疾病に効果 |
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■ハーブボール療法
サムンプライを調合して布にくるみボール状にしたものを、ハーブボール(正式にはプラコップ)といいますが、温湿布の要領で患部に当てながら施術する療法をハーブボールマッサージ、あるいはハーブボール療法といいます。一般的にこの中に調合するサムンプライは、プライ(生姜の一種)、ウコン、こぶみかん、レモングラス、ウォーターグラス、ショウノウなどで、熱を加えることで揮発するオイルを含むものを中心に使用します。ソムットターンごとにその調合を調整することで、より効果を発揮することができるでしょう。
このハーブボール療法は、タイ王国の伝統医学療法のひとつで、マッサージの後に患部の痛みをとったり、腫れを緩和する目的で使用されてきました。最近では、この療法を用いるスパ施設やサロンが増えてきており、だいぶポピュラーになってきました。タイ古式マッサージの施術中に用いることで、筋肉疲労の緩和を促進することができるだけでなく、サムンプライの風味と香りが効果を発揮しますので、とても人気があります。(ハーブボールはこちらで販売しています。) |
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■代表的なハーブとその効能
1、みかんの皮(身体を温める作用、血行促進、リラックス効果)
2、ウコン(胆汁分泌促進作用、皮膚につやを与える、抗菌作用)
3、こぶみかんの葉(血行促進、不安ストレス緩和、不眠緩和、リラックス効果)
4、レモングラス(血行促進、風邪予防、筋肉痛緩和、殺菌作用、リラックス効果)
5、タマリンドの葉(駆風、体内ガス排出、鼻づまり) |
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■ハーブボール療法の効果効能
1、皮膚に潤いを与える。
2、筋肉をほぐす。
3、凝りや痛みを緩和する。
4、血液やリンパの流れを促進する。
5、関節の動きをスムーズにする。
6、筋肉や関節の炎症による腫れを緩和する。 |
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■ハーブボール療法の行い方
ハーブボール療法は、専門的な知識がなくても比較的簡単に施術することができます。ハーブボールを蒸し器で蒸したら、そのまま取り出して患部に当てます。熱いうちには、軽く叩くような動作でやけどしないように注意して行います。適温になったら、強く押し付けたり、ボールを使って回したり揉むようにして施術します。 |
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■ハーブサウナ療法
薬用植物を蒸してその蒸気を身体に浴びる療法は、韓国のヨモギ蒸しのようにさまざまな地方でも見られます。これは皮膚から成分が吸収されること(桂皮吸収)で、肌に潤いを与えたり、蒸気を肺に吸い込むことで成分が身体に直接働きかけをしたりする伝統療法です。テントの中で行うことでその熱が血行を促進し、リンパの流れを促進することになります。ハーブサウナ療法もサムンプライの手法のひとつですが、選択するサムンプライによっても効果が異なります。全般に、身体の凝りや痛みを改善するだけでなく、風邪の症状やアレルギー、麻痺などの症状にも効果を発揮します。 |
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■ハーブサウナ療法による効果効能
1、皮膚に潤いを与える。
2、皮膚を洗浄する。
3、凝りや痛みを緩和する。
4、血液やリンパの流れを促進する。
5、新陳代謝を上げ、老廃物を排泄する。
6、減量する。
7、アレルギー症状を緩和する。
■ハーブサウナ療法を避けるべき場合
1、発熱時および頭痛時
2、結核や肺炎などの悪性の伝染病にかかっている場合
3、めまいや吐き気がある場合
4、傷が化膿している場合
5、高血圧の場合
6、妊娠中の場合
7、満腹時
8、10歳未満の子供 |
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